-NUM- -R.DATE- -R.TIME- -SENDER- -CONTENTS- 00977 90-06-16 13:15:06 NAT23023 『バタアシ金魚』礼賛!!【長文注意】  帰りの電車で、東銀座から、京成津田沼まで、ずーっと、ぼーっとしてた。あんま りにも、すごいショックで。もう、どうしようもなかった、という感じ。ホント、青 春の、ものすごいパワーに圧倒されて。  久々に、「感動」というコトバにふさわしいことを経験した。経験した、というの は少し違うかも知れないな。映画を見たんです。「バタアシ金魚」という映画を。  下校中の高校生が電車にたくさん乗ってたけど、こいつら全員にあの映画を見せた いな、と思った。  ガッコに行くのがかったるくて(私、一応大学生です)、銀座の写真展をいくつか 廻って、で、東銀座からうちに帰ろっ、と思いながら歩いてたら、たまたま、「バタ アシ金魚」を上映してる、銀座シネパトスの横を通りかかって。そういえば、この映 画、見たいと思ってたんだよな、でも、時間あるかな。バイトは6時半からだから‥‥ 、大丈夫だな。一回なら、見れる。  そう思って。  高岡早紀chanの水着姿さえ見れればよかったんです。正直なところ。私、去年 の夏の甲子園の(高校野球を扱ったビクターの)彼女のポスター以来、ずっと、彼女 のファンで。ファーストコンサートなんか、2回も行ってしまったし。  だから、ストーリーや映画の出来なんて、どうでもよかった。  高岡早紀が、水泳部の「ソノコ」というヒロインで。あんまり、というか、全然かっ こよくない「カオル」という男子生徒に好かれ、追いかけられることになる。で、最 初はものすごく嫌って、でも、だんだんその男の子が気になって。  その男というのは、少しピントがずれたやつで。出来るわけもないのに、君のため にオリンピックに出る、なんてことを言う。  最初ソノコは、カオルのことをすごく嫌ってるんだけど、途中、いろいろあって、 結局、カオルの愛を受け容れることになる。  まあ、大ざっぱなストーリーはこういう感じで。こう書いても、面白くもなんとも ないけど。申し訳ない。  それとね、映像がものすごく綺麗で。全編を通しての高校のプールのシーンとか。 水の色って綺麗だったんだな、と思った。 でも、夕焼けの空は、なんか、とってつけたような感じがしたけど。  それから、役者の演技がみんな光ってる。カオル役の筒井道隆くんはどこからみて もカオルだし、ソノコの高岡早紀は、高岡早紀じゃなかったもん。あとはソノコの友 達のリリコちゃん(大寶智子)の演技がいいな、と思った。  河原でのキャンプファイヤーのシーン。「ランナー」の替え歌をうたうソノコの表 情、あれはもう、演技を超えてた。過食症のソノコが暗闇の中で冷蔵庫を開けるシー ンとか。思い出すといくらでも出てくる。  あと、千葉のモノレールがすごく上手く使ってあって。  たとえば、カオルに冷たく当たったソノコが、でも、気になって、カオルの帰りを モノレールの駅で待つシーンとか。落ちつかないソノコ。靴のアップからだんだんひ いていって。不安そうな、表情。で、電車がゆっくり入ってくる。でも、カオルは乗っ てない。  うーん、目を閉じると、今でも浮かんでくるよ。あの情景が。忘れられそうにない。 一つだけ、気になったセリフがある。それは、ソノコの「いかれてる」というそれ。 アメリカの映画の字幕なんかでも、ときどき見るけど。今の高校生〜大学生の年代っ て「いかれてる」なんて単語は使わないよ。  映画の中で、確か、2回でてくるセリフだけど、最後のソノコのセリフでもあるわ けで、何とかならなかったのかな、と思う。  でも、雑誌かなんかで監督が「わざと日常を壊してみた」みたいな発言をされてて。 (少し違ってたら、ごめんなさい)それなら、いいかな。とも思ってる。  僕が思うに、うちらの年代が使う「いかれてる」にいちばん近い意味の言葉は「変 なやつ」あたりだろうか。でもこの単語だと、最後のシーンにはしっくり来ないのだ なぁ。ははは。セリフ一つとっても、映画づくりというのは大変な作業で、脚本も書 いてしまわれた監督はほとんど超人ではないかと。  これって男の子に対する大々的な応援歌だと思うんだよね。普通の映画じゃあ絶対 に主人公になることのない、全然格好よくない男の子が主人公で。「こんなオトコ、 (女が強い)今の世の中に居るわけないじゃん」 そんな風に片づけられてしまいそ うな、ホントにしょうもない奴。  自分の思うとおりに、押しまくれ、女に媚びるな。そんな風に言ってくれてるよう な気がした。  それと、夢をあきらめるな、死んでもあきらめるな、かなわぬ夢でも好いじゃない か、その夢に一歩でも近づいて行こうとするところに、生きてる、って実感があるん じゃないのか。人がどう思おうと、なんと言おうと、自分は自分だ。やりたいことを 曲げるな。簡単に他人に屈するな。そんな声が聞こえた。  こういうメッセージって、時流に、ホント逆らいまくってると思う。今の時代は女 がオトコを選ぶ時代で、オトコはショーウインドウの中のマネキンのようにめいいっ ぱい自分を着飾って。自分を売り込むために。でも、女が強くなったからって、どう してオトコが弱くならなきゃなんないのかな。オトコも一緒に強くなればいいのにね。  それと、今の若い人間て、なんていうのかな、自分を妙に理解してて、自分の限界 を決めてかかってる。野望を持つのは単なる馬鹿で、そういう、汗くさい生き方は、 冷笑の対象で。でも、そういう奴らでも、自分の心の中にそういう開かずの扉がある ことに気づいてて。でも、知らないふりをしてる。(ちなみに、私、22です)  それにしても、久々にすごい映画を見た。監督は松岡錠司というひと。このひと、 高校在学中から映画つくってて、「ぴあフィルムフェスティバル」とかで有名だった 人だそうだ。すごい才能を見せられて、少々、嫌になったね。まだ29だと。すげえ な。    コノジ、ホントハ ニンベン ガツイテルンダケド ダイ2スイジュン ニモナイカンジナノデ、ゴメンナサイ     ↓  「伽耶子のために」を見たときも思ったことだけど、どうしてこういう映画がこん なに小さな映画館で(シネパトスノ カンケイシャノミナサン ゴメンナサイ)、それも、新宿と銀座と大森でし かやってないのかね。まぁ、その理由はJVCがレンタルビデオ用につくった映画だ から、と云うのは穿った見方だけど。  日本の映画界はどうなってるんや、と思った。金かけてテレビで宣伝すればいいっ てもんじゃねえだろ。 (過激な意見でした。フジテレビ・角川映画のみなさん、ごめんなさい。‥‥あれ?)  とりとめもないことを書いてしまったけど、あと一週間くらい、ぼーっとしてると 思う。映画の後遺症で。でも(?)、また、絶対見に行くと思う。あと10回くらい かな。  すでに、もう3回も見ているだけに‥‥(^_^;)  最後になりましたが、こんなに素晴らしい映画を僕にくれた、スタッフとキャスト の皆さんに厚くお礼を言いたい。ホントにどうもありがとう。  それと、たくさんの人がこの映画を見てくれることを、心から望みます。  YUK-CYPHER