4 小倉 雄一    SGQ00566 96/05/03 01:02 題名:春樹ファンへ!「羊をめぐる冒険」の感想! 村上春樹の「羊をめぐる冒険」を読んだ。宮本輝の作品のような 実社会小説?に馴染んでいる私としては、設定が荒唐無稽な作品は それだけで拒否反応を示してしまうのだが、この作品は信頼できる 人に勧められたせいもあって、最後まで読み通した。 そういえば、むかし、これも信頼できる友人に勧められて、 ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」を読んで、 ものすごく感動したときのことを思い出した。全く同じ読後感とは もちろん言えないが、同じ種類の読後感は、持つことが出来た。 言葉にすると、作者が描きたかったもの(こと)は、 こういう設定でしか描けなかったのだろう、ということ。それがすごく 伝わってきた。たとえて言えば、大人はお酒を飲みながら 人生を語る。子どもの僕はそんな大人を軽蔑する。真面目な 話をするのに、酒の勢いを借りるなんて情けない、と。 でも、自分が大人になったとき、お酒の入ったあのなんとも言えない 雰囲気、意識はドロンとしてるのに、シンだけは何故か普段からは 想像もできないくらいに、変にぴんと張りつめていて。やたらと 周りの人のセリフが記憶に残ったり、人物評価を冷静に下して たりする。そんな自分に気づく。 なんか似てると、思った。悪くない、と。 (もちろんシラフで人生語るのがいけないなんて言わない) 「羊をめぐる冒険」で、じゃあ、いったい 村上春樹は何を描こうとしたのか、実はよく分かってないのだが。 ま、最後の最後に「僕」が赤と赤、緑と緑を間違えずにつなぐ ところなんかから考えると、平凡な(という言葉はどうかと思うが) あんたの(そして私の)人生も、決して捨てたもんではないよ、って いうメッセージはあるよね。あと、すごく悲しいけど、すごく好きだった 人たちが、自分のもとから離れて行ってしまう冷徹な事実の存在 (の確認)と。 僕が今どき、村上春樹を読んだ最初のきっかけは、実は彼が週刊朝日に 連載してるエッセイでした。吉行淳之介の告別式に出たことの訳。 それを読んで、この人いいなと思った。 そんなわけで、もはや不朽の名作?とも呼べるかも知れない作品を 今更ながら読み終えGWの夜中に感想を書いたりしてます。ま、ただ、 書きたかっただけなんだけど。 それで質問ですが、僕は次に彼のどの作品を読むのがいいでしょうか。 村上春樹フリークの方、よろしかったらアドバイスを下さい。 お願いします。(特に20代の女性からのメール歓迎)                   luciole//小倉雄一