「お引越し」を見た。 明日で終わってしまうと思い、会社を出ててくてく歩き、KBCシネマ北天神で、 今まあまあ話題の「お引越し」を見ました。相米慎二監督は牧瀬主演の 「東京上空‥‥」で懲りてるので、どうかなぁ、と思ってたのですが、 なかなかどうして、楽しませてもらいました。 初めに言ってしまうとこの映画の魅力の85%はレンコ役の田畑智子って 女の子に依っている、といっても過言ではない。そう、監督の上手さ、といって しまえばそれまでかも知れないけど、このキャラクターが得られなかったら、 この映画、まったく違った出来映えになってたんじゃないかな。多分、そう思う。 演技とは思えない、すっごくいい表情するんだよねぇ。ホント、ほれぼれするくらいに 自然で。のびのびと育ったんだろうなぁ。ご両親、素敵な方々なんだろうなぁ、って 要らないことにまで想いが広がる。 お風呂場に篭城して、そのあとトイレに逃げ込む。昼下がりの太陽光線が少し オレンジ味を帯びてくる頃。腰掛けながらの表情が逆光で浮かび上がる。 あの美しさと言ったら、ない。あのシーン、もう数秒よけいに見ていたい、 そう思ったのは決して僕だけではないと思う。 おじいさんに水をぶっかけられ、そのあと蜜豆かなんかをいただいてるところ。 愛敬たっぷりの笑顔が、すっごくかわいくて、すっごくたのもしかった。 相米監督、うらやましいぞ。この映画撮ってる間、彼にとっては至福の時だったに 違いない。ずっと智子くんと一緒にいて。なんかねぇ、「かわいい」とか 「演技が上手い」とかそういう次元を超えてるのだな、この子。 その、なんというか、自然さかな、自然な子供っぽさ、っていうと語弊があるけど。 前にも書いたけど、のびのび育ってるというか。まっすぐさがまぶしい。 僕もこの映画を撮影してる現場に一緒にいて、この子の発する空気を ずっと、呼吸してたかった。そう、強く感じた。 一言で言うと、少女が大人になる物語です。両親の別居というのは、じつは、 一つのきっかけに過ぎない。母親から逃げるようにして一晩を一人で越して 幻想を「見終わる」ことで今までの自分と別れを告げる。一つ大人になったことで 母親を素直に受け入れることが出来るようになる。 後半、ちょっと退屈だったけどねぇ、↑この辺を描いた部分。申し訳ないことに寝て しまった。ほんの10分だけど。起きたらレンコ、大人になってた。(^^;)(^^;)(^^;) 個人的にはそんなに急に大人にならなくてもいいと思うんだけど。あのまま、ずっと あのままでいてほしい、って感じ。ホントにねぇ、可愛いんだって。あれ、さっきと 違うかな、いってること。まぁいいや。 カンヌ映画祭正式参加作品だそうだ。だからレンコが大人になっていく様子を きちんと描く必要があったのかな。まぁ、分かりにくくはないから、それはそれで いいのかも知れないけどね。 「お引越し」ってタイトル。子供から大人へ、って意味もあるんだろうな。 お薦めです。★☆★☆★☆★☆ 星、いっぱいあげちゃう。 ぜひ、見て下さいな。                            luciole ..